食事・栄養

満腹中枢と空腹中枢の仕組みを解説【食べ過ぎを嘆く前にメカニズムを知ろう】

こんにちは、AI(@kwhr_ai )です。

痩せたい人
痩せたい人
痩せたいのに、食欲が止まりません。食欲を抑える方法を教えてください。

こんな質問がきました。

ここですんなり、食欲を抑える方法を考える・列挙するよりもまずは

食欲とは何か

なぜ食べたいと思うのか

について考えると、答えが見えてくると思います。

そこで今回は、食欲のメカニズムのお話です。

食欲に関係する因子

私たちのいただきますからごちそうさままでは、基本的に上の図で示すようにいろんな因子が関係しています。(もちろんこれだけではありません)

この図でわかるように、お腹だけでなく脳でも空腹・満腹を感じるのです。

むしろほとんどの場合はご飯を食べる量は脳で支配されています。

満腹中枢と空腹中枢

満腹中枢と空腹中枢という部位は脳の視床下部というところに存在します。

この脳の中枢が刺激される大きな要因として、

胃の中身が減る→胃壁が縮む→空腹中枢

胃の中身が増える→胃壁が伸びる→満腹中枢

胃の壁が伸びたり縮んだりすることで、中枢が刺激されるのです。

動物の満腹中枢が破壊された状態では動物は肥満になり、動物の空腹中枢が破壊された状態では動物は餓死してしまいます。

ホルモン

脳の中枢が刺激されることでご飯を食べる/食べないが決まりますが、その中枢を刺激するものがあります。その一つであるホルモンの代表はインスリン、レプチン、グレリン、コレシストキニンです。

インスリン

ご飯を食べた後に高まる血糖値を、正常な値に戻すために必要なホルモン。食後は血糖値が高まるので満腹中枢が刺激されますが、インスリンが分泌されて血糖値が下がることで空腹中枢が刺激され、お腹が空きます。

レプチン

脂肪細胞から分泌されるホルモン。このホルモンが脳の視床下部に作用することで満腹中枢が刺激され、食欲が抑制されます。このホルモンは寝不足になると分泌量が低下してしまいます。

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グレリン

胃から分泌されるホルモン。このホルモンは脳の下垂体と言う部位に作用し、成長ホルモンの分泌を促します。そうすると、成長ホルモンが空腹中枢を刺激し、食欲が増進します。なので、肥満ホルモンとも呼ばれ、睡眠不足になると分泌量が増えます。

コレシストキニン

十二指腸から分泌されるホルモンで、消化管で食べ物が消化・吸収されることによって分泌されます。主にレプチンと一緒に働くことで食欲を抑制します。

セロトニン・ドーパミン

ホルモンの他にも、脳内の刺激として使われる神経伝達物質も深く関係しています。

セロトニン

腸から分泌されるホルモンであり、別名幸せホルモンと呼ばれるほど私たちの精神状態に関係するホルモンです。

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セロトニンは腸で98%が生産され、残り2%が脳で生産されています。

セロトニンが不足してしまうと、精神状態が崩れ、安定を求めます。そうすると、心地の良い状態である血糖値を上げた状態に持って行こうとして、食欲が増進してしまいます。

ドーパミン

脳の神経伝達物質として有名なドーパミン。

人がストレスを感じると交感神経が優位になります。そうすると、ドーパミンが分泌され、脳の空腹中枢がどんどん刺激されてしまいます。ストレスをためると、一発で神経伝達系の物質分泌量が変わるので、ストレスをためないことが一番ですね。

遊離脂肪酸

食後に血糖値が上昇するとインスリン分泌が促進され、血糖値が下がります。

血糖値が下がるとインスリン分泌量がへり、その代わりに脂質分解酵素(リパーゼ)の分泌量が増えます。このリパーゼはインスリン分泌量を認知するので、ホルモン感受性リパーゼと言います。

このホルモン感受性リパーゼは、体の脂肪を分解する働きがあり、分解されてできた遊離脂肪酸の濃度が高まります。

遊離脂肪酸の濃度が高まると、『体の脂肪が分解され始めた!危ない!』と感じ、空腹中枢へと刺激を送るのです。

逆にインスリンはホルモン感受性リパーゼと拮抗的な働きをもち、体脂肪の合成を促進させます。

食欲が止まらない理由

ここで、これまでの食欲増進/抑制のメカニズムを踏まえた上で考えられる食べ過ぎの理由について考えていきます。

糖質不足

一番の理由はこれ。

糖質制限や過度の食事制限では、糖質が圧倒的に不足してしまいます。そうすると、血糖値が常に低い状態が続き、満腹中枢が刺激されることがありません。

血糖値による満腹中枢の刺激がないので、ついつい食べすぎます。そうすると、胃の内容物は増えていき、そこでようやく満腹中枢が刺激されますが、その状態ではもう手遅れで歩くこともできないくらいお腹いっぱいな状態ができてしまうのです。

また、セロトニンの合成・分泌には糖質が必要になるので、その点でも糖質がかなり重要です。

睡眠不足

睡眠不足の状態では、食欲を促進するグレリンの分泌量が増加するので食べ過ぎを招きます。しっかり寝ることで、レプチン(食欲抑制ホルモン)の分泌量を増やしてあげましょう。

あと考えられるものとして、起きている時間が長いほど食べる時間も長くなる可能性があること、睡眠不足によってストレスがたまり、食べ過ぎを招くなどといった理由も考えられます。

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咀嚼不足

食べ物をよく噛まずに胃に放り込むと、胃はびっくりして、慌てて消化・吸収始めます。すると、脳に指令もいっていない状態なので、満腹中枢が刺激されるのも一足遅れます。

ですが、ゆっくり咀嚼することで、唾液によるある程度の分解が行われ、加えて脳へと指令がいくので、万全の体制で胃腸が消化・吸収を始めることができます。脳にすでに指令もいっているので、速やかに満腹中枢が刺激されやすくなるのです。

いろいろな不足状態が、食べ過ぎを招いているようですね。
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補足:食後の眠気は血糖値がカギ

お腹がいっぱいになると、眠くなる人も多いと思います。(かくいう私もそうです)

これが意外と、満腹中枢が刺激されて眠くなると思われがちなのですが、実はインスリンの作用によるものなのです。

食事をすると、血糖値が上昇してインスリン分泌量が増えます。そうすると、血糖値がどんどん低下します。血糖値とはその名の通り血液中の糖分であり、血糖値が下がると脳へ供給刺される糖分も減少してしまいます。

徐々に血糖値が低下する分には問題ありませんが、急激な血糖値の低下は”低血糖状態”を招きます。こうなることで、眠気やだるさ、吐き気をもよおすなんてことが起きるのです。

食後の眠気を避けるためにも、甘い菓子パンだけや丼・麺類だけといった食べ方をやめ、副菜(食物繊維)をしっかり食べるようにしましょう。

まとめ:自分の状態が解消に大切

食欲が止まらない、こんな自分はもうだめだ…と、うなだれないでください。

原因はあなたの意識の弱さでもなく、あなたの生活習慣にあったりします。

今の生活習慣を見つめ直して、原因となる生活習慣を変えるところから始めてみましょう。

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ABOUT ME
ai
管理栄養士免許取得するも、研究に魅了されて、現在博士課程の大学院生(乳酸菌)/ 健康オタク、海外旅行マニアです。インスタグラムで日々の食事など公開中。