こんにちは、AI(@kwhr_ai )です。
今回は
レジスタントスターチ
についてのお話です。
近年は糖質制限が大流行中。
つまり、ダイエットを行う上で糖質が悪者扱いされているという現状が、若い世代を中心に広がっています。
ですが、実はダイエットの味方になる糖質があるのです。
それが
レジスタントスターチ
であり、実は炭水化物を冷やすだけで生成される物質なのです。
もくじ
レジスタントスターチ
レジスタントスターチとは、「消化されないでんぷん」のことを指します。
レジスタント=(消化酵素)抵抗性
スターチ=でんぷん
通常でんぷんなどの糖質は分解されて小腸で吸収されます。
一方で、食物繊維(人間の消化酵素では消化できない糖質)は、小腸を通り抜けて大腸へ到達します。
レジスタントスターチは、食物繊維と同様に小腸を通り抜けて、大腸まで到達する糖質です。
その働きは水溶性食物繊維に似ていると言われます。
レジスタントスターチの種類
レジスタントスターチ(RS)には細かく5種類のタイプあります(1)。
RS① | 物理的難解消化でんぷん |
例) | 粗挽き・全粒穀物など |
RS② | アミロース構造(B/C型) |
例) | トウモロコシ・じゃがいも・バナナでんぷん粉 |
RS③ | 老化でんぷん |
例) | 調理後冷ましたでんぷん食品 |
RS④ | 化工でんぷん |
例) | 架橋でんぷん |
RS⑤ | アミロース脂質複合体 |
例) | ステアリン酸複合高アミロースでんぷん |
1 : 2013, Diane, F. Birt,, et al., Adv., Nutr.
正直、RS④やRS⑤に関しては、化学的に改良して難消化性にした糖質なので、気にしなくて大丈夫です。
なので説明は省略します。
大事なのは、レジスタントスターチ①、②、③です。
レジスタントスターチ①

代表:粗挽きの穀物、全粒粉などのでんぷん
小麦粉は、小麦から表皮などのミネラル・食物繊維を多く含む部分を取り除いて調理・加工しやすくしたものですが、全粒粉は表皮など全てを含んだ状態なので、難消化性になるのです。
構造が繊維質で囲まれているという物理的な構造の特徴から消化しにくくなります。
レジスタントスターチ②

代表:青いバナナ、じゃがいもなど
特徴として、糖質の中でもアミロースをたくさん持っている食材がレジスタントスターチ②に当てはまります。
糖質のおさらい
糖質の中でもでんぷんは、グルコース(単糖◯)がいくつも連なってできたものです。

参考:糖質とは何なのか【炭水化物の分類から糖質制限の事実まで理解しよう】
このでんぷんを構成するグルコースですが、
(上)アミロース
(下)アミロペクチン
と呼ばれる形を作ります。

アミロースはまっすぐな鎖、アミロペクチンは枝分かれのような形をしていて、この二つがさまざまな割合で混ざって出来上がるのがでんぷんです。
そしてアミロースの割合が多くなったでんぷんがレジスタントスターチ②です。
レジスタントスターチ③

代表:冷飯
冷やしたご飯
ここで言う老化とは、でんぷんの温度や調理に伴う構造的変化です。(年齢的老化ではありません)

図のように、例えばお米やじゃがいもなどのでんぷんを調理(加熱)すると、水分を含んでしっとりふっくらします。
しかし、冷却(4℃)すると、β化して水分が抜け、スカスカで構造も変化してしまいます。これを老化といい、この構造が変化した状態に変わることで、難消化性になるのです。
つまり、冷や飯やポテトサラダなど、ダイエットの敵と思われていた糖質たちが実は私たちの味方になるのです。
レジスタントスターチの機能
腸内細菌のエサ
消化されずに大腸まで届いたレジスタントスターチは、腸内の善玉菌のエサとなります。あるいは、老廃物をからめて便のカサを増し、排泄されるので便秘解消にもなります。
つまりはプレバイオティクス的な機能も持つのです。

善玉菌を増やす、あるいは働きを活発にさせる効果も期待できます。
短鎖脂肪酸の生成
腸内細菌がレジスタントスターチをエサとして食べると”短鎖脂肪酸”を生産します。この短鎖脂肪酸は、長鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸と違って即座に分解されるため、体脂肪として蓄積する前にエネルギーで消費します。

血糖値をあげにくい
食物繊維が血糖値をあげにくいように、レジスタントスターチも血糖値をあげにくいことが知られています。

つまり、インスリンの過剰分泌を抑え、血糖値の変動を緩やかにするので体脂肪をつけにくい糖質と言えるのです。
食欲抑制
レジスタントスターチはそもそも糖質なので、お腹にたまります。それと同時に難消化性であるために消化に時間がかかり、その分腹持ちがよくなるのです。
そして食物繊維のような働きがあるので、あなたの食欲の暴走を止めてくれるでしょう。
参考:Healthline, Resistant Starch 101 — Everything You Need to Know
具体的に何を食べるべき?

簡単な話、炭水化物を冷やせばOKです。
お米を炊いた後、冷やご飯にして食べたり、さつまいもを蒸したら冷蔵庫で保管して冷たいまま食べたり。こうすることで、でんぷんが老化し、難消化性になります。
あるいは、パンを通常の白いものから全粒粉などの茶色いパンに変えましょう。
白米も玄米にすると、レジスタントスターチの量が圧倒的に増えます。
https://worktohealth.com/brownrice-mylife/
もちろん白米の方が好き!と言う方でも、冷やせばOKです。
だからコンビニのおにぎりや回転寿司など、ダイエット中タブーと思われがちなものでも、レジスタントスターチの観点から言うと大歓迎なのです。
(炊きたてのほかほか白ご飯が美味しいしやめられない!と言う人も、ダイエット中は冷や飯に切り替えてみて)
糖質制限の恐怖
糖質制限に偏って、糖質を無視し続けている方は、腸内環境が乱れに乱れているかもしれません。
腸内細菌の大好物は糖質です。糖質がないと、いい菌はどんどん死んでいきます。
逆に、悪玉菌のエサは肉や卵を食べて発生する腐敗物質です。つまり糖質制限では悪玉菌がどんどん増えていくのです。
だけど、糖質がどうしても気になる!そんな人こそ、レジスタントスターチをぜひ取り入れてみてください。
糖質は種類や食べ方次第で味方になり、肉や卵と違って日本では安価な食材です。
コスパ最強な主食を食べて、腸と体を元気にしていきましょう!