食べ物に関する知識

玄米に含まれるフィチン酸とアブシジン酸は〈毒〉ではない【働きを理解して玄米食を楽しむ】

こんにちは、健康オタクのAI(@kwhr_ai )です。

私は普段から玄米を主食として食べています。

参考:ダイエットや美容に玄米食をおすすめする理由

そんな時、たまに言われるのが

「玄米って毒素があるんでしょ?」

「食べ続けて体に悪さしないの?」

という、玄米に対するネガティブな意見。

そこで本記事では

  • 玄米に含まれる二つの”酸”を解説
  • どうやったら影響を減らせる?

についてお話していきます。

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本記事では科学論文等を引用して詳しく解説しているので、もしかしたら少し専門的な言葉が出てきてわかりにくいかもしれません。(なるべくわかりやすく解説していますが)

気になる方は引用元の論文リンクを貼っているのでお読みください^^

玄米に含まれる二つの”酸”について

フィチン酸・アブシシン酸

この二つは玄米に含まれる物質であり、毒素として悪名高い事実があります。

ですが、この2つについてしっかり理解しておけば玄米=体に悪いというイメージがなくなるのではないかと思います。

フィチン酸:次世代のためにリン酸を貯蔵

フィチン酸(Phytic Acid)は植物性食品の中でも特に種子類に含まれる物質で、動物性食品には一切含まれていません。

玄米だけでなく、アーモンド、豆、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ、エンドウ豆、ごま、大豆、小麦などにも含まれていて、そのどれもが0.1〜9.4%と微量です(*)。

そもそも、種子類は〈タネ〉であり、どんどん次の世代を生み出すために栄養素を多く含みます。

植物が成長と生存のために必須な栄養素にリン酸があります。このリン酸を保持するために、フィチン酸は種子の中でじっと息を潜めています(*)。以下がフィチン酸の構造です。

構造からわかるように、6つのリン酸がひとつになって、フィチン酸ができています。

次の世代にためにリン酸を保管している大事な役割をもつフィチン酸が、なぜ悪者扱いされるのでしょうか?

フィチン酸は鉄と亜鉛の吸収率を低下させる

フィチン酸が悪者扱いされる理由は、その強力なキレート作用のため(*)。

キレート作用:物質が金属イオンと結合すること

食事中に含まれ、体内にある鉄分や亜鉛といった金属イオンを見つけると、フィチン酸はキレート(結合)します。そうすると、鉄や亜鉛は水に溶けない形(不溶性)になるので吸収率を下げます。

そのため、貧血の人は玄米をあまり食べないようにと指導される場合もあります。

▼記事の後半でこの影響を取り除く方法をご紹介します▼

アブシシン酸:種子類の発芽抑制因子

玄米に含まれる二つ目の”酸”は、アブシジン酸(Abscisic acid)。

このアブシジン酸は種子類の発芽抑制因子として、植物ホルモンのような働きをしています。

なぜ発芽抑制因子が必要なの?
植物は環境中の変化に敏感で、少しでも悪い環境条件だと十分に発芽・成長できません。そこで、発芽抑制因子が環境中のストレスに耐えるために発芽を抑制し、十分に整った条件下で植物が発芽するのを助けています。自然の摂理ですね!

玄米に含まれるアブシジン酸もまたヒトに悪い影響をもつと噂されてしまっています。

活性酸素を発生させるから

活性酸素とは、私たちが通常の呼吸活動で取り込んだ酸素がさらに活性されたもの。体内の神経伝達を助ける、あるいは免疫・感染防御としても働く一方で、過剰の活性酸素は細胞を傷つけて生活習慣病を招きます(*)。

アブシジン酸は植物の発芽抑制因子であり、植物がもつ気孔(光合成や呼吸のための穴)を閉じて活性酸素を発生させると言われています(*)。

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フィチン酸:金属の吸収を阻害
アブシジン酸:活性酸素の発生

この二つが玄米を悪者に仕立て上げているとのことですが、これだけで悪者と言えるのでしょうか?

結論:それだけで玄米は悪者にならない

フィチン酸とアブシジン酸のデメリットとなる影響を受けないようにする方法は多くの研究機関で明らかにされています。

玄米のメリットはそれらのデメリットを上回ります。さっそく今日から試しましょう。

玄米中のフィチン酸を減らす方法

まずはじめに、フィチン酸の長期摂取はミネラル不足を招くと言われますが、そもそも栄養バランスの整った食事をしていたらミネラル不足には陥りません。

この点を踏まえた上で、フィチン酸を減らす方法を行いましょう。

浸漬させる

AI
AI
やっぱりそれかよ、と思われた方。すみません。

玄米を一晩水に浸漬させて炊くことで、玄米中のフィチン酸を減らせることがわかっています(*,**)。

これは、一定の水温下で玄米中のフィターゼを活性化させるため。

フィターゼとはフィチン酸からリン酸を放出させる酵素で、すなわちフィチン酸の分解に関わっています。このフィターゼをしっかり活性化させるためにも、玄米を炊く前はしっかり水につけておきましょう。

ソルガム粉と一緒に浸漬させるとさらにフィチン酸を減らせるという研究結果ですが、なかなかソルガム粉など手に入れられないことを考慮すると浸漬だけでも十分でしょう。

アブシジン酸への対処法

このアブシジン酸は、熱によって分解されてしまいます。

すなわち、玄米を炊飯する時点で熱によって分解されるので、ほとんど心配はいらないのでは?というのが個人的な意見です。

玄米を生で食べることはなかなかないので、この点については炊飯でカバーできるでしょう。

発芽玄米が結局無敵である

玄米は長時間水につけるとひょこっと芽を出します。

つまり発芽させることで、フィチン酸を分解できている目安にもなるので、玄米を観察してタイミングを見計らいましょう。

またしっかり水につけることでふっくら炊き上がり、玄米特有のボソボソ感を減らすこともできます。

市販の発芽玄米はどうなの?
市販の発芽玄米は玄米を水に漬けたあともう一度乾燥させるというひと手間を加えるため、どうしても高価になりがち。水につけるだけならおうちでもできるので、できれば無農薬の玄米やお気に入りのお店で買って、自分で水に漬けて発芽させましょう。

補足:水はこまめに取り換えるとより良い

例えば夏に台所で水に漬けたまま出かけると、帰ってきたら部屋が米ぬかのえぐみの香りがする、なんてことも。

夏は水の中で乳酸菌や雑菌が湧いて、発酵している場合があります。(無農薬のお米の場合は特にそう)ただし、この菌類は悪さをする訳でもなく、発酵もさらなるフィチン酸分解を手助けするものです。

どうしても気になる場合は、こまめに水を取り替えて清潔な状態をキープする、あるいは炊飯前にしっかりぬめりをとってあげましょう。

まとめ:玄米はメリットでいっぱい

玄米は白米と比べて食物繊維が豊富で血糖値をあげにくく、健康・美容にも良い食材です。

私も大好きで、毎日玄米をたらふく食べる生活を送っています。

一方で、フィチン酸やアブシジン酸といった”毒素”と呼ばれてしまっている物質に注目されて、悪者にされがち。

ですが、フィチン酸もアブシジン酸も生き物が生きていくための賢い戦略の中で生まれたものです。

一方的に悪者にするのではなく、メリットを享受するためにもうまく付き合うようにしましょう。そして先ほども言いましたが栄養バランスの整った食事をしていたらミネラル不足には陥りません。

とはいえ、なるべく美味しくヘルシーにいただくためにも、工夫をして調理しましょう。

コツは水に長時間つけて、発芽玄米にしていただくこと。

正しい知識でハッピーに食事を楽しみましょうね〜^^

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はじめファームさんの農作物は全て無農薬で、私も愛用しています。荷物の中にメッセージが入っているので、毎回ニヤニヤしながら読んでいます^^

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ABOUT ME
ai
管理栄養士免許取得するも、研究に魅了されて、現在博士課程の大学院生(乳酸菌)/ 健康オタク、海外旅行マニアです。インスタグラムで日々の食事など公開中。