こんにちは、AI(@kwhr_ai )です。
今回は
栄養学を学ぶための
おすすめ本総まとめ
です。
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昨今の健康ブームで、本屋さんにもたくさんの栄養学本が並んでいます。
学校では基本部分(三大栄養素、ビタミンなど)を習うものの、
それらが実際体の中でどのように動き、どのように私たちの体の役に立っているのか
いまいち知らない人が多いのではないでしょうか。
ネットでは多くのまとめサイトで栄養学やダイエット・減量のための食事方法が発信されていますが、そのどれもが素人が書いたにすぎない信憑性の低い情報ばかり。
やはり大学の外で正しい知識を学ぶためには、今も昔も本が一番です。
そこで今回は、管理栄養士免許を持つ私が本屋に並ぶ栄養学の本を実際に読んで、
- 初心級
- 独学級
- 発展級
の三段階でおすすめできる本をまとめてみました。
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世界的にみても栄養学のリテラシーが低いのが日本。
その影響からなのか生活習慣病やなんらかの不調を抱えながら生活している人、極端なダイエットを行う人、あまりにも自分の食に無頓着な若者世代が問題視されています。
今回のこの記事が皆様の栄養学リテラシーをあげる一端になれば幸いです。
栄養学の本の選び方
本屋さんに並んでいるものの中で、まずは栄養学の本を選ぶ時のポイント。
①誰が書いているか
②目次をチェック
③発行年日のチェック
④できれば分厚いものを選ぶ
①誰が書いているのか
なんと言ってもやっぱり好ましいのが管理栄養士の先生。
といっても”栄養学”と名のつく本のほとんどは管理栄養士の先生が監修となっているのでご安心を。
②目次をチェック
基本的には、多くの栄養学に関する本は以下のような項目が含まれています。
・昨今の栄養学ニュース
・三大栄養素の説明
・微量栄養素の説明
・ライフステージ別栄養学
・病状別の栄養学
・食材別の栄養学
だいたいこの目次通りであれば、ほとんどのことが網羅されているので選んで間違い無いでしょう。
③発行年日のチェック
基本的に栄養学は日々新しい情報へとアップデートが繰り返されています。
世界中の栄養学研究者によって、新たな知見が蓄積されているので、昔の当たり前が今では通じないことも。
購入前に必ずチェックすべきは発行年日。さらには初刊ではなく最新の発行年日を確認しましょう。
→第一刷発行が2000年だとしても、第十刷発行が2020年であれば問題ないのです。
これは栄養学に限らないので、他の本でもぜひチェックするようにしてみて下さい^^
④できれば分厚いものを選ぶ
せっかく何か一冊を選ぶのであれば、分厚いものを選ぶようにしましょう。
薄い本であればあるほど中身の情報が物足りなくなるもの。薄い本を何冊も買うよりも、一冊を繰り返し読んで栄養学の奥を深めてみて下さい。
栄養学本おすすめ
初心級
こんな人にオススメです↓
- 栄養学を全く学んだことがない
- 三大栄養素が何なのかわからない
- 文系出身/生物未履修
- 最初から文章ばかりはきつい
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世界一やさしい!栄養素図鑑
本の情報 | |
監修 | 牧野直子(管栄) |
発行 | 2019年12月15日 |
ページ数 | 159ページ |
食品標準成分表 | 2015年版 |
価格 | ¥1,200+税 |
目次 | |
第一章 | 三大栄養素と食物繊維 |
第二章 | ビタミン |
第三章 | ミネラル |
第四章 | 機能性成分とその他の食品成分 |
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▶︎漫画ベースで書かれている
各栄養素がキャラクター化されているので、その働きがイメージしやすいのが初心者向けなポイント。例えば止血に必須なビタミンKはナース風に、アンチエイジングに必須なビタミンEは美人なお姉さん風に書かれています。
▶︎必要最低限の情報
本書が150ページ前後なために、多くの情報を網羅しているわけではありません。ですが、必要最低限の栄養学情報が書かれているので、混乱することなく栄養学の基礎中の基礎を学ぶことができるでしょう。
▶︎例となる食材の写真付き
栄養学だけを学んでも、それを食事に落とし込めなければ意味がありません。本書ではその繋がりが簡単になるように、栄養素の紹介ページに実際の食材写真がグラム数と一緒に書いてあります。
独学級
初心者級から急に独学者級とのことですが、
これ一冊持っておけばオッケーでしょう。
という本たちです。
知っておきたい栄養学
本の情報 | |
監修 | 白鳥早奈英(栄養学博士) |
発行 | 2019年9月13日 |
ページ数 | 254ページ |
食品標準成分表 | 2015年版 |
価格 | ¥1,400+税 |
目次 | |
第一章 | どこまで知ってる?栄養のキホン10 |
第二章 | 何をどのくらい食べたらいいの? |
第三章 | 栄養素の効能と”かしこい”とり方 |
第四章 | 食材に含まれている栄養素を知ろう |
第五章 | 栄養素の力で気になる症状がスッキリ |
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▶︎本題に入る前のキホン
栄養素はコレとコレとコレがあって〜と、最初から本題を話すのではなく、栄養学を本格的に学ぶ前にココ押さえといてね〜というキホン事項を10個解説してあります。例えば
- 栄養素って何?
- エネルギーの適量
- 基礎代謝と身体活動レベル
- 栄養素をきっちり取る大切さ
のようなこと。栄養素の詳しい働きを知る前に、なぜ栄養学を気にしなければいけないのかという点を復習させてもらえます。
▶︎食べ方のコツがわかりやすい
例えば食事バランスガイドの使い方、献立のたて方や外食のコツ、サプリメントとの付き合い方など、事細かくページを割いて解説してあります。
- コンビニでの選び方
- 食事バランスガイドのSVとは
- サプリメントの選び方
特にコンビニ飯の選び方は今の世の多忙な社会人にとって救いになるのではないでしょうか。
▶︎調理方法の工夫付き
カルシウムは水分に溶け出すので煮汁ごと調理する、リンを摂取する時は加工食品の食べ過ぎに注意するなど、栄養素別の調理・食事方法の工夫が解説されています。せっかく栄養素豊富な食事にしたくても、調理方法で栄養素を失わないように気をつける必要があるので、コレはめちゃくちゃ便利ですね。
一生役立つ きちんとわかる栄養学
監修 | 飯田 薫子
寺本 あい |
発行 | 2019年6月13日 |
ページ数 | 291ページ |
食品標準成分表 | 2015年版 |
価格 | ¥1,540+税 |
目次 | |
第一章 | 栄養学の基本のき |
第二章 | 栄養学の最新常識 |
第三章 | 栄養素の働き |
第四章 | 症状別・栄養素のとり方 |
第五章 | 食品の栄養成分と作用 |
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▶︎基本部分が漫画で解説
第一・第二章はどちらかというと初心者向けの章になっていて、漫画で解説されています。その点で言えば栄養素図鑑と似ていますが、本書では第三〜第五章で詳しい栄養学の解説が組み込まれているので、独学者級に入れさせてもらいます。
▶︎栄養素の吸収過程の解説
炭水化物やたんぱく質などの栄養素の消化吸収プロセスの解説が非常にわかりやすい。管理栄養士の私ですら忘れかけていた部分なので、復習するのにもってこいです。
▶︎病状別で状態・対策の解説
例えば「冷え性」のページでは、その症状が一体何で、どう対策したらいいのかを栄養学目線だけでなく運動面からも解説されています。おすすめ食材も写真と具体的な献立と共に解説。日常生活で知っていて損のない項目になるでしょう。
栄養の教科書
本の情報 | |
監修 | 中嶋洋子(医学博士) |
発行 | 2018年9月5日 |
ページ数 | 254+24ページ |
食品標準成分表 | 2015年版 |
価格 | ¥1,400+税 |
目次 | |
第一章 | 栄養学の基礎知識 |
第二章 | 食品成分の種類と機能まるわかりガイド |
第三章 | ライフステージ別栄養摂取ガイド |
第四章 | ダイエット&スポーツと栄養 |
第五章 | 体の症状に合わせた栄養摂取ガイド |
付録 | 食材辞典 |
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▶︎基礎知識の内容が濃い
なぜ栄養学を知ることが大切なのかを最初にきっちり教え込まれます。そこから深掘りしていき、
- 食事摂取基準
- バランスガイド
- 食生活指針
- 香気成分
- 1〜3次機能
- 体のしくみ
など、三大栄養素を学ぶ前に知るべきことをはっきり明記されています。正直ここの部分だけでもお金を払う価値がある分量です。
▶︎文字中心だからこそ手応えあり
こちら栄養の教科書は、文字が中心の本です。だからこそ必要な情報が惜しむことなく書かれているので、しっかり勉強したい!!と言う方はこちら一択でしょう。もちろん図で解説も入れてあるのでわかりにくいなんてことはなく、個人的には私はこの本が好きです。
▶︎スポーツ栄養に触れている
アスリートや運動習慣のある人に対する栄養学的アプローチ方法が書いてあるのは珍しいので、個人的にここも推しポイント。もちろんスポーツをしていない人でも強い体づくりに欠かせないチップ(tip)が書いてあるので必見です。
栄養の基本がわかる図解事典
本の情報 | |
監修 | 中村丁次 |
発行 | 2020年4月1日 |
ページ数 | 239ページ |
食品標準成分表 | 2015, 2020年版 |
価格 | ¥1,400+税 |
目次 | |
序章 | 健康・栄養新情報 |
第一章 | 栄養学入門 |
第二章 | 活動と栄養 |
第三章 | 年代別栄養 |
第四章 | 栄養素は夜わかり |
第五章 | 機能性成分 |
第六章 | 代謝のしくみ |
第七章 | 症状別栄養 |
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▶︎最新の栄養学情報
国内の栄養に関する現状が序章に書かれています。例えば食生活の欧米化や朝食欠食から紐解く病気の罹患率や死亡率、高齢化に伴うフレイル(虚弱)の問題など、知っておくべき現代社会の流れが深く書かれています。
▶︎詳しい代謝の仕組み
食べ物は口に入れた後どうなっているかを気にすべきという点でいえば、代謝が第六章に丸々書かれているので推しポイント高め。
- 満腹中枢の仕組み
- 消化・吸収の流れ
- 各栄養素の代謝
- 水分代謝の仕組み
このパートだけで栄養素がどこからどこへ向かうかを理解できるようになるでしょう。
▶︎機能性成分の解説が厚い
健康に良いと言われる機能性成分について(フィトケミカルなど)事細かに書かれているので、興味がある人にとっては理解するために勉強になる部分でしょう。これから先は五大栄養素や食物繊維だけでなくこの機能性成分を取り扱った商品がより増えていくはず。それらが一体何なのかを理解する上で外せないパートです。
発展級
ここから先は、栄養学が何なのか、基本的な部分から応用面まで知り尽くした人にむけた本です。どちらかというと栄養学の復習をしながら新たな知見を学ぶことができる本たちとなっているので、すでに管理栄養士の免許を持っている人や栄養学を学んだ人向けです。
食と栄養の大百科
本の情報 | |
発行 | 2019年8月5日 |
ページ数 | 143ページ |
価格 | ¥1,400+税 |
目次 | |
第一章 | 食品と健康の気になるギモン |
第二章 | 栄養素を正しく知ろう |
第三章 | 栄養素を取り込む体のしくみ |
第四章 | 食を楽しむ体のしくみ |
第五章 | 専門家が教える理想的な食事法 |
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▶︎専門家が大集合のサイエンス誌
30人近い栄養学や生物学の専門家が大集合して書かれている、ニュートン(Newton)雑誌。その中身のクオリティの高さは正直どの本よりもまさっているので満足度がかなり高め。
▶︎素朴な疑問がすぐに解決
例えばコラーゲンと肌、食品添加物や糖質制限に関する我々の抱きやすい疑問に対してわかりやすい回答が与えられているので、モヤモヤの解消。またヴィーガンやグルテンフリーなどの日本で最近ようやくホットになってきた話題にも触れられています。
▶︎リアル絵・写真が理解を深める
これは図説か?と思わされるようなリアル度の高い絵がより理解を深めてくれます。特に体の中で栄養素が代謝されるために必要な酵素が図で書かれている様は栄養学を学んできたものにとっておそらく魅力的。
科学的に正しい 食品の大百科
本の情報 | |
発行 | 2020年9月16日 |
ページ数 | 174ページ |
価格 | ¥1,980 |
目次 | |
第一章 | 食材 |
第二章 | 飲み物とお菓子 |
第三章 | 調味料 |
第四章 | 食品と安全 |
第五章 | 食品と健康 |
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こちらも先ほど同様ニュートンより。やっぱりこのサイエンス雑誌のクオリティはかなり高めです。
▶︎食品学からの目線
栄養学について学ぶだけではまだまだ。実生活で食べるのは栄養ではなく食品。一体それらが何からできて、どんな性質を持っているかをずばり解説してくれています。
▶︎食の安全性や健康機能
消費期限や賞味期限、食品添加物だけでなく遺伝子組換え食品やゲノム編集についても詳しく書かれています。これから先主流になってくるであろう技術について、詳しく書かれているこちら、この先の未来で食を楽しむためにも知るべきなことがたくさん詰まっています。
ロードマップ
いろいろ書いてきましたが、ここまででどれを選んだらいいかわかるように図でロードマップを示してみます。

もちろんこの他にもたくさん栄養学に関する本がありますが、ひとまず私が実際に購入したものの中でおすすめできるのはこんな感じです。
ちなみに私が一番栄養学を独学する上で好きな本は栄養の教科書です。
文字中心ではあるものの、カラーで図も程よく組み込まれているので、管理栄養士の方が持っておく分にも不足することはないでしょう。
まとめ
栄養学は日々アップデートされている学習分野であり、全ての人が知っておくべきものです。
日本はまだまだ栄養学のリテラシーが低い現状があるだけに、より多くの人が栄養に興味を持って自ら学んで行って欲しいと思っています。
こちらの記事は随時アップデートしていきますのでよろしくお願いします。
あなたの栄養学独学の助けになれば幸いです。それではまた!