こんにちは、管理栄養士のAI(@kwhr_ai )です。
みなさんは、セロトニンをご存知でしょうか。
本記事の内容
幸せホルモン”セロトニン”の総まとめ
今回は、あなたの幸福度を左右する非常に重要な神経伝達物質であり、脳ではなく腸から分泌される幸せホルモン”セロトニン”についてのお話です。
神経伝達物質:平たくいうと、脳内で必要な情報をあらゆる場所へ連れていく運び屋さん。この神経伝達物質があることで、私たちの脳みそはいろんな物事に対して判断ができます。
もくじ
セロトニンについて
セロトニンは三大神経伝達物質のひとつで、別名:幸せホルモンと呼ばれます。
ドーパミン:快楽をもたらす物質で、例えば買い物や美味しい食べ物を食べることによって分泌されます。過剰になると過食を招き、不足するとあらゆる体の機能が低下します。
ノルアドレナリン:恐怖や驚き、不安に関わる物質で、ストレスに対処するために分泌されます。過剰になると攻撃的になり、不足すると無気力になります。
セロトニンは、ドーパミンとノルアドレナリンの分泌バランスを整える働きがあります。
セロトニンの材料

セロトニンの材料は
・トリプトファン
・糖質
・日光
です。
この中でどれかひとつでも抜けるとセロトニンの分泌量は減ってしまいます。
では、これら三種の神器によるセロトニン合成ステップを見ていきます。
セロトニンの合成
多くの神経伝達物質は脳をメインの活躍の場所とする一方、セロトニンは腸が深く関係しています。

まずはじめに、私たちがトリプトファンの含まれる食べ物を食べます。
そうするとトリプトファンは腸内でセロトニン前駆体(5-HT)に変換され、腸内にとどまるあるいは脳に運ばれていきます。
次に、日光を浴びることでセロトニン前駆体(5-HT)は脳や腸内でセロトニンへと変換されます。
一方で、糖質を食べて分泌される「インスリン」は、トリプトファンの脳への取り込みを促進し、脳内セロトニン量アップにつながります。
セロトニンの健康効果
精神安定
セロトニンは、アドレナリンやドーパミンといった感情の起伏に関する神経伝達物質を調整することで、精神を安定させる効果があります。つまり、セロトニンがきちんと分泌された状態であれば、幸福感、落ち着き、集中力、感情の起伏が少なくなるなどのメンタル強化につながります。
腸の動きを活発にする
腸内で生産されるセロトニンおよびセロトニン前駆体(5-HT)は、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進させる働きを持ちます。これにより腸内で食べ物がスムーズに消化・吸収され、老廃物は便となり体外へ排出されます。
骨や血を強くする
セロトニンは骨形成に関わる細胞に信号を送り、骨を強くする役目を持っています。また、脳内でセロトニンが働き穏やかで落ち着きのある感情を作り出すことで、全身の血流もよくなります。
免疫力の向上
例えばあなたが風邪や病気にかかり炎症を起こすと、患部に免疫に関わる細胞が集まり、治癒力をもって炎症を抑えようと働きかけます。この時、セロトニンは免疫に関わる細胞たちを呼び寄せる働きももつのです。
セロトニン不足が招く不調

記憶力の低下
セロトニンは記憶力を司る脳の”海馬”という部分に作用して、大切な記憶を残す働きがあります。しかし、セロトニンが不足することで記憶力が低下すると言われます。
甘いものや高炭水化物食への渇望
トリプトファンの取り込みを助けるのはインスリンであり、炭水化物が必要です。セロトニン不足に陥ると、炭水化物を無性に衝動的に食べたくなります。
睡眠障害
セロトニンは睡眠の質に関わる物質です。セロトニン不足の状態ではいくら寝ても寝足りず、昼間の強い睡眠欲求や朝の気怠さにつながります。
精神の不安定
セロトニン分泌が不足する食・生活を続けると、自尊心の欠落(自分はダメだと思ってしまう)、不安や怒りなどを招きます。
ダイエットとセロトニン
食事制限で分泌不足になる

ダイエット=食事制限の現代において、たんぱく質は不足しやすい栄養素のひとつです。
たんぱく質の摂取量が減るということは、トリプトファンの摂取量も減ること。すなわちセロトニンの材料がなくなるため、脳内でのセロトニン生産・分泌量も減ってしまいます。
ストレスに対処できない

ダイエットを行う上で気をつけたいのが「ストレスへの対処」です。
食べたいものを食べられないストレスや、運動をしないといけないストレスなど、ダイエット中は無意識にもストレスを感じています。
そんな中でセロトニンの分泌量が少なくなると、イライラやストレスに対処できずに暴飲暴食に走ってしまうのです。
偏食で腸内環境が乱れる

朝:プロテイン
昼:菓子パンと野菜ジュース
夜:お肉山盛り
ご飯をお菓子で済ませたり、不規則な時間に食べる、動物性食品ばかりといった偏食生活では、腸内細菌は生きていくことができません。
腸内環境が乱れると、トリプトファンからセロトニン前駆体(5-HT)の生成がうまくいきません。
参考:腸を整える本来の目的と実践して欲しい5つのおすすめ腸活
糖質制限でイライラが止まらない

ダイエットの中でも糖質制限をしてしまうと、脳にとって必要なエネルギー(糖質)不足になります。
そうすると、脳が必死に糖質を渇望する+トリプトファンの脳への取り込みが減るのでイライラが止まらなくなるのです。
セロトニンを分泌させる食・生活
知らない間にセロトニンを十分に活性化できていない人が実はたくさんいます。
そんな方々のために、日々の生活で取り入れられる活性化方法を紹介します。
たんぱく質・糖質を意識する

セロトニンの材料であるトリプトファンは、チーズやヨーグルトなどの乳製品、卵、納豆や豆腐などの大豆製品に含まれています。
また、糖質はお米やパン、パスタのこと。間違えてもスナック菓子やスイーツ、デザート類の”糖質”を摂るのはやめましょう。過食の原因になります。
<おすすめ朝食メニュー>
・ご飯、目玉焼き、野菜たっぷりの味噌汁
・全粒粉のパン、スクランブルエッグ、ヨーグルト
・オートミール、ヨーグルト、きな粉
腸内環境を整える

腸内環境が乱れる(ストレスや偏食、疲労)と、トリプトファンからセロトニン前駆体へ変換されにくくなります。
加工食品や精製糖を摂りすぎないように心がけ、発酵食品などの腸の善玉菌を増やす食品を取り入れましょう。
ストレスや睡眠不足も、腸内環境を悪化させる原因になるので、自分なりのストレス発散方法を試してみましょう。
起床時に日光を浴びる

・夜型の生活習慣
・カーテンは閉めっぱなし
・朝目覚めるのが苦手
こういった方は、朝起床したら日光を浴びてください。
日光を浴びて、セロトニンを活性化させる習慣を作りましょう。
睡眠前のスマホをやめる

セロトニンは日光など”強い光”によって分泌・活性化されます。
この強い光の中にはスマホやテレビなどのブルーライトも含まれており、ブルーライトを浴びている間はセロトニンが分泌されてしまいます。
セロトニンとメラトニン
夜になると、日中分泌されて働いたセロトニンは光の刺激がなくなることによって”メラトニン”というホルモンに変換されます。

メラトニンは睡眠の質を高めるために必須のホルモンですが、セロトニンが分泌されている間はメラトニンは分泌されないのです。
寝る前1時間はスマホの電源を切り、読書やヨガ、ストレッチなどでリラックスして入眠に持っていきましょう。
適度な運動をする

セロトニンは、規則性のある運動(リズム運動)などに関係するホルモンだと言われています。
ゆえに、運動を全くしない人は、普段からセロトニンを使い慣れることができていません。
日常生活に適度な運動(ヨガやストレッチでもOK)を取り入れましょう。
まとめ:セロトニン足りてますか?
ダイエットや仕事で、ストレスがどんどん溜まる。
イライラしてうまくいかない。
それはセロトニン不足が原因かもしれません。
セロトニンは本当に本当に
本当に大事な神経伝達物質です!
(しかも腸にそのほとんどが存在しています)
.
セロトニンをうまく分泌させるために、
・たんぱく質と糖質を意識
・朝日光を浴びる
・夜寝る前にスマホは見ない
最低でもこの3点を継続して行ってみましょう。
今の不安感やイライラから解放され、幸福感で満たされる日はすぐやってくるはずです^^
読んでいただき、ありがとうございます。それではまた!