こんにちは、健康オタクのAI(@kwhr_ai )です。
という疑問に答えます。
この記事でわかること
炭水化物の種類について
糖質の種類と違いについて
糖質制限はやる意味があるのか
糖質制限の正しい方法
この記事を書く私は、管理栄養士免許を持ちつつブログで栄養学の正しい知識について発信している大学院生。本ブログでも、過去の糖質制限の失敗談を赤裸々に語っています。
ということで今回は割と専門的な知識も交えつつ、炭水化物について解説していきます。
もくじ
炭水化物とは

厚生労働省のHPによる定義は以下の通り。
炭水化物(carbohydrate)は、組成式 Cm(H2O)n からなる化合物である。炭水化物は単糖あるいはそれを最小構成単位とする重合体である。HPより
と書いてあります。
なんじゃこりゃ???って感じなので、噛み砕いて説明すると
炭水化物は単糖と呼ばれる物ひとつ、あるいはその単糖が集まってできた物の総称のことです。
炭水化物は糖質+食物繊維のこと

炭水化物は大きく糖質+食物繊維の2つに分類されます。
糖質は炭水化物ですが、炭水化物は糖質ではありません。
▼食物繊維についてはこちらの記事で解説しています。

糖質には三種類ある
糖質には大きく分けて三種類あります。

「単糖類」:糖質の材料となる物質が一個で存在。グルコースやフルクトースなど。
「少糖類」:単糖が2、3個くっついて存在。ショ糖(砂糖)や乳糖(牛乳)など。
「多糖類」:単糖が長く連なって存在。でんぷん(お米)やデキストリンなど。食物繊維はこの中に一部含まれる
3種の糖質の違い
上記の3つ糖質の違いは、「消化・吸収される速度」です。
まず、大前提として私たちの体は食べ物の中の栄養素(大きなかたまり)を小さくすること(消化)ではじめて吸収できるということをまず忘れないでください。
ポイントは、消化吸収スピード▼

単糖類は、そもそも材料が1つしかないので小さくする必要がなく、即座に吸収されます。少糖類になると、「消化」ステップが入りますがこれでも割と早く吸収されます。
そして多糖類は、消化するのに時間がかかるので吸収されるまでに時間がかかります。
この吸収されるまでの時間は、腹持ちの時間と比例します。
よくアスリートが運動前にバナナを食べますが、これはフルーツに含まれる果糖(単糖類)が即エネルギーになるため。 逆に、ご飯をしっかり食べるとゆっくり消化吸収されるためお腹いっぱい腹持ちよしです。
この吸収されるまでにかかる時間が長いほど血糖値を上げにくい、低GI食品であるとも言えます。
参考:【痩せたい人必見】GI値を味方につけて賢くボディメイクしよう
糖質の働き
①体を動かすエネルギー源となる

いわゆるガソリンのような働きをもつのが糖質で、不足すると体の動きが鈍くなります。多少足りない程度であれば、体内に貯蔵されている糖質が消費されますが、意外と貯蔵糖質は少ないので、三度の食事でしっかり摂る必要がある栄養素です。
体、特に脳は糖質のみをエネルギー源として利用します。このため、低血糖状態になると頭がボーッとしたり、回転が鈍くなるということも。
②筋肉の保持

筋肉にはたんぱく質が存在していますが、非常に分解されやすいのが特徴。
ということは、筋トレ前に糖質を摂っておかないとせっかく作ろうとしている筋肉が分解され、エネルギー源として使われてしまいます。糖質はエネルギー源として効率良く使われやすいので運動前に摂ることで運動効率も高まります。
③腸内細菌のエサ

糖質は、腸内の善玉菌のエサとして利用されます。(プレバイオティクスといいます)
参考:シンバイオティクスが今熱い!【あなたの腸をもう一歩先へ】
つまり、腸内細菌を育てるためには糖質の摂取が必須なのです。実は動物性たんぱく質や飽和脂肪酸は悪玉菌増加の原因やおならの原因になります。
糖質制限について
糖質制限で痩せる理由

はい、確かに糖質制限は短期間で結果が出ます。試してみるとわかると思いますが、ちゃんと糖質を完全にカットすれば99%は痩せます。
糖質制限で痩せる理由は大きく3つあります。
①糖質が水分と仲良しだから
②インスリン分泌の低下
③筋肉の分解
①糖質は水分と仲良し
私たちの体は水分が70%以上を占めます。ただ、それは通常の食事をしている場合。これは「糖質が水分と強く結びついている」ため。平たくいうと、糖質によって私たちの体内の水分は保たれているということです。
糖質制限をすると、当たり前のように糖質による水分保持が減るので時には脱水症状も起きるほどの状態になります。水分がスルスル抜けて、体重は減るでしょう。
②インスリン分泌の低下
インスリンは、血糖値の上昇を抑えるために分泌されるホルモンの一種。ただ、このインスリンは過剰に分泌されてしまうと余剰分が体脂肪蓄積に働きます。そのため、甘いものばかりを食べると過剰なインスリンによって体重増加を招くという人体のカラクリが本来備わっているのです。
ところが糖質制限中はインスリンがそこまで必要とならないので、もちろん体脂肪蓄積も起きないため体重は増加することがありません。
③筋肉の分解
食事で摂ったたんぱく質や脂質は、分解→利用される(消化吸収)までにかなりの時間をようします。そこで手軽に利用できる糖質を体は欲しますが、糖質制限中はこの糖質さえも食事から得ることができません。
そこで身体は「飢餓スイッチ」をオンにします。そうすると、まずは手っ取り早く利用できる筋肉を分解し、得られたアミノ酸等をエネルギー源として利用していきます。
筋肉は脂肪よりも重いかつ分解されやすいため、みるみる痩せていくでしょう。
糖質制限では“体重は減る”だけ

さて、みなさんはお分かりになったと思いますが、完全に糖質制限を行えば120%痩せます。
つまり、水分と筋肉が抜けた身体に残るのは、体脂肪だけですね(終了のお知らせ)
いくら筋トレしようと、きちんと糖質を摂らないと筋たんぱく分解に身体は傾きます。
プロのボディビルダー選手レベルになると、筋肉を増やすだけ増やしてあとは糖質を制限することで水分を抜いて、引き締まった状態にして大会に出る、ということをしますが、きちんと管理が徹底された状態で行っています。一般のみなさんは真似しないでね。
糖質制限の見返り弊害

ちょっとマッチョなことをいいますが、糖質制限を行う(もしくはこれからしたい)という人は
一生糖質を摂らない覚悟をした方がいい
と思います。
それは糖質制限を行うことで起きる弊害が結構修復するのに時間がかかるため。
その弊害はこちら▼
・インスリン感受性の低下
・食物繊維不足
・幸せホルモンの減少
・過酷なリバウンド
インスリン感受性の低下
またはインスリン抵抗性ともいいますが、要は糖質に対するインスリンの分泌効率を指します。
例えば、一般的な成人が糖質1に対し、インスリン1を分泌させることで血糖値を元の状態に戻せるとします。
一方で糖質制限を長年行うと、身体は糖質に対するインスリン分泌という行為を忘れてしまします。
その結果、糖質制限を長年行っている人は糖質1に対してインスリンを100も200も分泌しないと血糖値を元の状態に戻せないという状態を招きます。
先にも述べたように、余剰インスリンは体脂肪蓄積に働きます。
糖質制限は糖代謝を狂わせる行為でもあるのです。
食物繊維不足
食物繊維のほとんどは、糖質と一緒に存在しています。(食物繊維単体を食品から摂るのは、割と難しいことなのかもしれません)
そして糖質制限を行う人の多くは、炭水化物をカットしがち。そのため、圧倒的な食物繊維不足になり、便秘や肌荒れを招きます。
食物繊維が足りなくなると腸内環境も乱れるので、幸せホルモンも分泌されにくくなるのです。
幸せホルモンの分泌低下
腸から分泌される幸せホルモンにセロトニンがあります。
腸内環境が悪化するのに加えて、セロトニンの材料のひとつに、「糖質」があります。ということは、糖質制限中はこのセロトニン分泌量は低下し、イライラしやすくなってしまうのです。
過酷なリバウンド
糖質制限中は、痩せるもしくは太らない状態をキープできると思いますが、いざ糖質を摂ると、あっという間にリバウンドしてしまいます。それは糖質で太るのではなく、糖代謝が異常になってしまったあなたの体質のせい。
ケトン体→体が酸性化

「ケトジェニック」の「ケト」はケトン体をさします。このケトン体は、エネルギー源として利用できる反面、体を酸性状態へ傾けます。
体内の糖質が枯渇してエネルギー不足に陥った時や糖質の代謝がおかしくなってしまった時、脂肪を分解することで発生する酸性物質で、体を酸性へと傾ける。このように体が酸性になった状態をケトアシドーシスといい、猛烈な喉の渇き・多飲、頻尿や食欲不振、嘔吐・腹痛、時には意識障害を引き起こす。
アメリカでは、このケトアシドーシスを懸念して一日100g以上の糖質をとることが推奨されています。日本でも、糖質制限を継続的に行っている人が短命であるが多いのも、このケトン体の発生が関係しているのです。
まとめ:糖質はあなたの味方です
まず忘れないで欲しいのは、
炭水化物=糖質+食物繊維である
糖質には3種あり、消化吸収スピードが異なる
糖質制限で糖代謝異常やケトン体による体の酸性状態を招く
ということです。
糖質は種類を選びさえすればダイエットやボディメイクの味方になる栄養素です。
違いをしっかり理解して食材選びをしてみましょう。
私の個人的な意見としては、ダイエットに糖質制限は不向きです。
参考:健康オタクの定番食材:主食編【リピ買いで時間の無駄とストレスが減る】
例えば夜に白米を食べるのをやめる、などの程度はもちろんいいと思いますが、三食完全に糖質を抜くのはやめましょう。
目先の目標に囚われず、長い目で目標達成を目指すのが一番ですよ〜!
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